ロイクラトンとは
「ロイクラトン」(Loy Krathong / วันลอยกระทง)は、タイ暦第12月の満月の夜に祝われるタイの伝統的なお祭りです。水の女神への感謝と、罪や穢れを水に流す意味が込められた、タイで最も美しい祭りのひとつです。なお、ロイクラトンは祝日ではありませんが、ソンクラーン(水かけ祭り)と並び、タイを代表する伝統行事です。
ロイクラトンの歴史的背景
ロイクラトンの起源は13〜14世紀のスコータイ王朝にさかのぼるとされています。水の恵みへの感謝を示す儀式として始まり、現代まで受け継がれてきました。
- 名前の意味:「ロイ(ลอย)」は「浮かべる」、「クラトン(กระทง)」はバナナの幹を土台にした飾り台を意味します。合わせて「飾り台を水に浮かべる祭り」という意味になります。
- 水の女神への感謝:タイでは水の女神「プラメー・コンカー(พระแม่คงคา)」への感謝と敬意を示すため、クラトンを川に流す習慣が生まれました。
- 罪や穢れを流す:クラトンには自分の髪や爪を入れて流すことで、過去の罪や不運を水に流し、新たな気持ちで再出発するという意味もあります。
- タイのバレンタイン:カップルが一緒にクラトンを流すと愛が長続きすると言われており、タイではロイクラトンを「タイのバレンタイン」と呼ぶこともあります。
ロイクラトンの過ごし方
ロイクラトンの夜は全国各地の川や池のほとりで幻想的な光景が広がります。
- クラトンを流す:バナナの葉、花、ろうそく、線香で飾られたクラトンに火をともし、川や池に流します。流す前に手を合わせて願い事をするのが伝統です。クラトンの火が消えずに見えなくなるまで流れると、願いが叶うと言われています。
- コムロイ(空飛ぶ灯籠):北タイのチェンマイでは、同時期に「イーペン祭り」が開催されます。無数のコムロイ(ランタン)が夜空に舞い上がる幻想的な光景は世界中から観光客を集めます。ただしバンコク旧市街など多くの地域では安全上の理由からコムロイの打ち上げは禁止されています。
- 文化行事:各地で伝統舞踊や音楽の公演、クラトンコンテスト、花火などが行われます。スコータイやアユタヤなどの遺跡での祭りは特に有名です。
- 通常通りの営業:ロイクラトンは国定祝日ではないため、ショッピングモールや飲食店は通常通り営業しています。
バンコクの主な開催場所
バンコクでは都心部やチャオプラヤー川沿いを中心に市内各地でロイクラトンが楽しめます。
- ベンジャシリ公園:スクンビットエリアで便利
BTSプロンポン駅下車 - ベンジャキティ公園:広い湖でゆったり楽しめる
BTSアソーク駅またはMRTクイーン・シリキット国際会議場駅下車 - ルンピニ公園:家族連れにも人気
BTSサラデーン駅またはMRTシーロム駅、MRTルンピニ駅下車 - アイコンサイアム:花火・光と音のショーが華やか。
BTSチャルンナコーン駅下車またはBTSサパンタクシン駅近くのサトーン船着場からシャトルボート利用 - アジアティーク:チャオプラヤー川沿いのナイトマーケット
BTSサパーンタクシン駅近くのサトーン船着場からシャトルボート利用 - 川沿い・運河沿いの寺院:ローカルな雰囲気のロイクラトンが楽しめる
観光・滞在時のアドバイス
ロイクラトンの時期にタイを訪れる際に知っておくと便利なポイントをまとめました。
- 環境への配慮:近年は環境問題への意識から、バナナの葉やパンで作ったエコなクラトンが推奨されています。発泡スチロール製のクラトンは禁止されている地域もあります。
- 混雑と安全:川沿いや池のほとりは非常に混雑します。貴重品の管理に注意し、水辺では足元に気をつけてください。
- 宿泊の早期予約:ロイクラトンの時期はタイ全土で観光客が増えるため、特にチェンマイやスコータイでは宿泊施設の早期予約をおすすめします。
- コムロイの注意:コムロイを打ち上げる場合は、許可された場所でのみ行ってください。無許可での打ち上げは罰則の対象となる場合があります。
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航空機の遅延・欠航に関する注意:
イーペン祭りの期間中、チェンマイでは多数のコムロイ(ランタン)が打ち上げられます。これに伴い、チェンマイ空港周辺を飛行する航空機の安全を確保するため、お祭り当日は航空便の遅延や欠航が発生する可能性があります。
チェンマイ空港を利用される場合は、スケジュールに十分な余裕を持ち、お祭りの前日または翌日以降に離発着する便をおすすめします。
ロイクラトンとロイカトン、どちらが正しい?
日本語ではロイクラトンだけでなくロイカトンとも呼びます。どちらも間違いではなく、ロイクラトンがタイ文字通りの正確な言い方、ロイカトンが日常会話で使う言い方です。
ロイカトンとも呼ばれる理由
タイ語では、rに相当する音(タイ語のร)を省略して発音する習慣があります。ロイクラトンもこの習慣が当てはまり、
ロイクラトン(Loy Krathong / ลอย กระทง)からr / รが省略され、ロイカトン(Loy Kathong / ลอย กะทง)と発音されます。
※กはk、ะはaの音です
ロイクラトーンやロイカトーンと語尾を伸ばす言い方
ロイクラトーンやロイカトーンのように語尾を伸ばす言い方もあります。正式なタイ語では語尾をトン(thong / ทง)と発音しますが、日本語独特の文字ごとに子音+母音を発音する息苦しさから、ロイクラあるいはロイカの後でトーンと伸ばして発音する日本人も多いです。また、語尾を伸ばすことで柔らかい印象になったり、女性は可愛らしく聞こえたりするため、会話ではトーンと伸ばす言い方も好まれてます。
r / รを省略する例①:サワディークラップ
r / รを省略する他の例としてこんにちはで有名なサワディー クラップ(Sawadee Krap / สวัสดี ครับ)があります。
男性は丁寧語で話す場合、語尾にクラップ(Krap / ครับ)を付けますが、
日常会話ではr / รを省略して、サワディー カップ(Sawadee Kap / สวัสดี คับ)と発音することが多いです。
※คはk、 ัはa、บはpの音です
r / รを省略する例②:ラックラバン
もうひとつ例を挙げましょう。スワンナプーム空港近くにあるラックラバン工業団地やラックラバン駅(Lat Krabang / ลาด กระบัง)も同じパターンです。
現地で働く日本人はラッカバンもしくはラカバン(Lat kabang / ลาด กะบัง)と呼んでいます。
特に製造業で働く日本人と接する方は、ラッカバンやラカバンの言い方を知っておくと便利です。

