ネパールの殉難者の日とは
「殉難者の日」(Martyrs' Day / शहीद दिवस)は、毎年ネパール暦マーグ月の16日(西暦1月30日頃)に祝われるネパールの国定祝日です。1941年、ラナ専制政権に対して民主主義と国民の権利を求めて立ち上がり、処刑された4人の闘士を追悼するとともに、ネパールの民主主義と自由のために命を捧げたすべての人々を称える日です。毎年マーグ月10日から16日は「殉難者週間」として、全国各地でさまざまな追悼行事が催されます。
殉難者の日の歴史的背景
殉難者の日の起源は、19世紀から20世紀にかけてネパールを支配したラナ王朝への抵抗運動にさかのぼります。
- ラナ専制政権とは:ラナ王朝は1846年から1951年までネパールを支配した貴族政権で、国王から実権を奪い、国民の自由や権利を厳しく抑圧しました。教育や言論の自由は制限され、政権に反抗する者は容赦なく処罰されました。
- 4人の殉難者:1941年、ネパール・プラジャ・パリシャッド(Nepal Praja Parishad)という秘密組織を結成し、民主主義と国民の権利を求めて活動していた4人の指導者がラナ政権によって処刑されました。
シュクラ・ラジ・シャストリ
ダルマ・バクタ・マテマ
ダシュラト・チャンド
ガンガラル・シュレスタ
の4人は、降伏して命を助かるか、抵抗して死を選ぶかという選択を迫られ、信念を貫いて命を落としました。 - ネパール初の殉難者:4人の処刑以前にも、1877年にジャング・バハドゥル・ラナの親英政策と専制政治に反抗したラカン・タパ・マガルが処刑されており、ネパール最初の殉難者として記憶されています。
- 民主主義への道:4人の処刑は民主主義運動の転換点となり、その後の反ラナ運動の高まりへとつながりました。1951年にラナ専制政権は崩壊し、ネパールは民主主義への移行を果たしました。
殉難者の日の過ごし方
殉難者の日には、全国各地でさまざまな追悼行事が催されます。
- 殉難者の門を参拝:カトマンズにある「殉難者の門(Shahid Gate / शहीद गेट)」では、政府要人や市民が花輪を捧げ、殉難者への敬意を表します。ネパールでは政府の要職に就いた人物が就任直後にこの門を訪れる慣習があります。
- 追悼式典:全国各地で政府主催の式典や集会が行われ、民主主義のために命を捧げた人々の功績を称えます。
- 殉難者週間のイベント:マーグ月10日から16日の殉難者週間中は、講演会や文化行事など多彩なイベントが開催されます。
観光・滞在時のアドバイス
殉難者の日の時期にネパールを訪れる際、知っておくと便利なポイントをまとめました。
- 殉難者の門を見学:カトマンズ市内にある殉難者の門は、ネパールの民主主義の歴史を感じられる場所です。式典が行われる日は特に多くの人が集まります。
- 公共サービスの確認:国定祝日にあたるため、官公庁や学校は休みとなります。手続きが必要な場合は事前に済ませておくことをおすすめします。
- 1月のネパール観光:1月はネパールの乾季にあたり、晴れた日が多く山々の景色が美しい時期です。朝晩の冷え込みが厳しいため、防寒対策をしっかりと準備しましょう。

