ネパールのゴーバルダン・プジャとは
「ゴーバルダン・プジャ」(Govardhan Puja / गोवर्धन पूजा)は、毎年10月〜11月ごろに祝われるネパールの国定祝日です。クリシュナ神がゴーバルダン山を片手で持ち上げて村人を守ったという神話に由来し、クリシュナ神と自然の恵みに感謝と祈りを捧げる日です。ヒンドゥー暦に基づくため、毎年西暦(グレゴリオ暦)上の日程は異なります。
ゴーバルダン・プジャの歴史的背景
ゴーバルダン・プジャはヒンドゥー教の重要な神話に由来します。
- クリシュナ神とインドラ神の対決:ヒンドゥー教の神話によると、インドにあるブリンダーバンの村人たちは毎年、雨の神インドラに豊作の祈りを捧げていました。しかしクリシュナ神は「インドラ神ではなく、牛や人々の生活を支えるゴーバルダン山こそを崇めるべきだ」と村人を説き、村人たちはインドラ神への祭祀をやめてゴーバルダン山に供え物を捧げました。
- クリシュナ神の奇跡:これに激怒したインドラ神は、村に7日間にわたる猛烈な豪雨を降らせました。するとクリシュナ神はゴーバルダン山を小指一本で持ち上げ、巨大な傘のようにして村人と牛たちを雨から守りました。7日後、インドラ神はクリシュナ神の力に敗北を認め、雨をとめました。この出来事がゴーバルダン・プジャの起源とされています。
- ネパールへの伝来:ゴーバルダン・プジャはもともとインド発祥のお祭りでしたが、ヒンドゥー教とともにネパールに伝わりました。ネパールでは農耕を支える牛を崇める文化と深く結びつき、毎年のお祭りとして定着しました。
ゴーバルダン・プジャの過ごし方
ゴーバルダン・プジャには、ネパール各地でさまざまな行事が催されます。
- 牛糞のゴーバルダン山:牛の糞で小さなゴーバルダン山を作り、花や穀物で飾り付ける慣習があります。クリシュナ神が持ち上げたゴーバルダン山を象徴するもので、その周りを回りながら祈りを捧げます。
アンナクート:クリシュナ神に56種類の料理を供える「アンナクート」の儀式が寺院で行われます。米、野菜、果物、お菓子など様々な料理が、お米や小麦粉で作った山に美しく盛り付けられます。
伝承では、クリシュナ神は1日に8回食事をしていたとされます。しかし村人を守るためにゴーバルダン山を持ち上げていた7日間は食事ができませんでした。この8回分×7日間=56回分の食事に由来して、56種類の料理を供えるようになったと言われています。
- ネワール族のマハ・プジャ:カトマンズのネワール族にとってこの日は「マハ・プジャ(自己清めの儀式)」と呼ばれる特別な日でもあります。自分自身の体に祈りを捧げ、新しい精神の年の始まりを祝います。
観光・滞在時のアドバイス
ゴーバルダン・プジャの時期にネパールを訪れる際、知っておくと便利なポイントをまとめました。
- ティハール祭の観光:ゴーバルダン・プジャはティハール祭の一部です。祭り期間中のカトマンズはランプや電飾で美しく彩られ、幻想的な雰囲気を楽しめます。
- 公共サービスの確認:国定祝日にあたるため、官公庁や学校は休みとなります。手続きが必要な場合は事前に済ませておくことをおすすめします。
- 11月のネパール観光:11月は乾季に入り、気候が穏やかで過ごしやすく、トレッキングにも最適な季節です。エベレストやアンナプルナ方面のトレッキングを楽しむ絶好のシーズンです。

