パリニルヴァーナ(釈迦入滅の日)とは
「パリニルヴァーナ」(Lord Buddha's Parinirvana / Duechen Nga Zom / འདུས་ཆེན་ལྔ་འཛོམས་)は、ブータン暦第4月15日に祝われるブータンの国定祝日です。釈迦の入滅を記念するこの日は、ブータンで最も神聖な仏教行事のひとつとして広く敬われています。
※入滅=釈迦がお亡くなりになること
※釈迦=仏陀とも呼ばれます
パリニルヴァーナの歴史的背景
パリニルヴァーナ(Parinirvana)とは、サンスクリット語で「完全なる涅槃」を意味します。涅槃とは苦しみや煩悩から完全に解放された境地のことで、仏教において死は終わりではなく、この境地への到達とみなされています。
- 釈迦の入滅:約2500年前、仏教の開祖である釈迦はインドのクシナガラにて約80歳で入滅されたとされています。釈迦の生涯における最も重要な出来事のひとつとして、現在もブータンをはじめ世界中の仏教徒に敬われています。
- Duechen Nga Zom(ドゥーチェン・ガ・ゾム):ブータン語での正式名称"Duechen Nga Zom"は「五つの偉大な出来事の集まり」を意味します。この日はブータン暦第4月15日の満月の日にあたり、釈迦の①胎内への宿り②誕生③悪魔の降伏④悟り⑤入滅の5つの出来事が重なる聖なる日とされています。これらは釈迦の生涯である80年間においていずれも同じ月日に起きたと伝えられています。
- サガ・ダワ月:ブータン暦第4月はサガ・ダワ(Saga Dawa)と呼ばれる神聖な月です。この月全体が仏教的に功徳を積む絶好の機会とされており、多くのブータン人が菜食を実践し、巡礼や喜捨に励みます。
- 他の仏教国との違い:この日はブータン以外の仏教国でも釈迦の入滅を祝いますが、いずれも釈迦の誕生・悟り・入滅の3つをまとめて祝います。一方ブータンのパリニルヴァーナは釈迦の入滅のみを記念した祝日です。
パリニルヴァーナの過ごし方
パリニルヴァーナの日には全国各地の寺院や僧院で宗教的な行事が行われます。
- 巡礼と祈祷:多くのブータン人が地元の寺院や僧院を訪れ、祈りを捧げます。バター灯明の奉納や読経が行われ、厳かな雰囲気に包まれます。
- 喜捨と功徳を積む:この日は喜捨(Dana)と呼ばれる寄付や施しを行う日でもあります。貧しい人々への食事の提供や寺院への寄付など、善行によって功徳を積む機会とされています。
- 菜食の実践:サガ・ダワ月全体を通じて菜食を実践するブータン人も多く、この日は特に肉食を控える習慣があります。
- 公共サービスの休業:国定祝日のため官公庁・学校・銀行は休みとなります。
観光・滞在時のアドバイス
パリニルヴァーナの時期にブータンを訪れる際、知っておくと便利なポイントをまとめました。
- 宗教的な場への礼儀:寺院や僧院を訪問する際は静粛を守り、地元の方々が行う宗教的行為を妨げないよう心がけましょう。露出の少ない服装が求められます。
- 菜食レストランの増加:サガ・ダワ月中は菜食を提供するレストランが増えます。肉料理を希望する場合は事前に確認することをおすすめします。
- 5月〜6月のブータン観光:この時期はモンスーン前の季節で、緑豊かな風景が広がります。トレッキングや自然観光に適した時期です。

