ブータンの聖なる雨の日とは
「聖なる雨の日」(Blessed Rainy Day / Thruebab / ཁྲུས་འབབས་ཀྱི་ཉིནམ།)は、ブータン暦第6月15日に祝われるブータンの国定祝日です。ブータン語で「聖なる水の降臨」を意味し、この日に降る雨は天からの祝福とされ、人々が早朝から外に出て雨に打たれる独特の風習があります。
聖なる雨の日の歴史的背景
聖なる雨の日は、ブータンの伝統的な天文学や占星術 と深く結びついた祝日です。ブータン暦第6月15日は、仏教的に縁起が良いとされる日にあたり、その由来には非常に神秘的なエピソードがあります。
- リシ(聖仙)の伝説:ブータンの占星術 では、この日に太陽がリシ(Rishi / 聖仙)と呼ばれる星の真上を通過するとされています。この星の輝きがすべての水源に注がれることで、雨や川の水が聖なる水へと変わると信じられています。
- 雨の持つ意味:リシによって聖なる水へと変わった雨には、一年間に積み重ねた罪や病、穢れ、そして一切の毒を洗い流す力があるとされています。雨に打たれることで心身が清められ、新たな気持ちで残りの一年を過ごせると考えられています。
- 雨季の終わりを告げる日:ブータンの雨季は概ね6月から9月にかけてですが、聖なる雨の日はその終わりを告げる節目の日でもあります。農業国であるブータンにとって、雨季の終わりは収穫の始まりを意味する重要な時期です。
- 仏教行事との結びつき:この日は釈迦初転法輪の日やパリニルヴァーナ(釈迦入滅の日)と同様、ブータンの重要な仏教祝日のひとつです。
聖なる雨の日の過ごし方
聖なる雨の日は、ブータン独自の風習が見られる特別な祝日です。
- 早朝の雨浴び:最も特徴的な風習が、早朝の雨に打たれることです。雨が降っていない場合でも、川や泉の水を浴びて身を清める人もいます。
- 川での沐浴:敬虔な仏教徒は川や泉で沐浴を行い、心身の浄化を祈ります。
- 寺院への参拝:全国の寺院では法要や祈祷が行われます。僧侶たちがお経を唱え、人々の幸福と健康を祈ります。
- 家族との時間:国定祝日のため多くの人が休みとなり、家族と過ごす日でもあります。
観光・滞在時のアドバイス
聖なる雨の日(毎年9月中旬〜下旬頃)にブータンを訪れる際、知っておくと便利なポイントをまとめました。
- 雨への備え:この時期はまだ雨季の終わりにあたるため、雨具の用意をおすすめします。防水性の高いジャケットや傘を持参しましょう。
- 店舗・観光施設の営業:国定祝日のため官公庁や銀行は休みとなります。民間の店舗や観光施設は営業している場合が多いですが、事前の確認をおすすめします。
- 9月のブータン観光:雨季の終わりにあたり、緑豊かな山々と澄んだ空気が楽しめる時期です。雨上がりの景色は特に美しく、観光のおすすめシーズンのひとつです。

