🙏 ベトナムの建国記念日「フン王記念日(Giỗ Tổ Hùng Vương)」とは?
フン王記念日(Giỗ Tổ Hùng Vương)は、ベトナムの伝説上の建国者であるフン王(雄王)の功績を称え、歴代の王を追悼するベトナムで最も神聖な国家祝日の一つです。
旧暦の3月10日が記念日に指定されており、ベトナム人にとっては「自らのルーツ(起源)を忘れない」ための極めて重要な日とされています。2012年には「フン王信仰」として、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録されました。
📅 記念日の時期はいつ?
フン王記念日は旧暦に基づいているため、西暦(太陽暦)では毎年日付が変動します。一般的には4月中旬から下旬頃に巡ってきます。
ベトナムの労働法に基づき、この日は国家祝日として公休日になります。また、4月末の南部解放記念日や5月1日のメーデーと日程が近いことが多いため、ベトナムにおける「ゴールデンウィーク」のような大型連休を形成することもあります。
📜 フン王の伝説と歴史的背景
ベトナムの伝説によれば、龍の神であるラック・ロン・クアンと、山の仙女であるアウ・コーの間に100個の卵が生まれ、そこから100人の子供が誕生しました。その長男が「フン王」を名乗り、ベトナム最初の国家であるバンラン(文郎)国を建国したと伝えられています。
「フン王記念日」は、特定の個人の命日ではなく、歴代18代にわたるフン王全員を供養するための日です。「一本の木から何千もの枝が伸びるように、ベトナム人は皆一つの源から生まれた」という、民族の団結を象徴する行事でもあります。
🏯 最大の祭典「フン王祭り」
記念日のメインイベントは、北部フート省ヴィエットチー市にあるフン王神社(フン神殿)で行われます。ここでは数日間にわたり盛大な儀式が繰り広げられます。
- 奉納行列: 伝統衣装を身にまとった人々が、色鮮やかな旗や供え物を手に持ち、麓から山頂の神殿まで練り歩きます。
- 儀式: 政府の要人も参加し、国家の安寧と繁栄を祈る厳粛な儀式が執り行われます。
- 伝統文化イベント: 境内ではバインチュン(ちまき)作り競争、伝統的な歌垣(ハット・ソアン)、格闘技大会など、ベトナムの伝統文化を体験できる行事が多数開催されます。
🍚 供えられる伝統的な食べ物
フン王への供え物として欠かせないのが、以下の2つの伝統的な餅(ちまき)です。これらはフン王時代の王子が考案したという伝説があります。
- バインチュン(Bánh Chưng): 大地を象徴する四角い緑豆入りちまき。
- バインザイ(Bánh Giầy): 天を象徴する白い丸餅。
🏙️ 都市部での過ごし方
フート省まで足を運べない人々も、自宅の祭壇に果物や花を供えたり、近くの寺院を訪れたりして祈りを捧げます。都市部では祝日としてゆっくり休む、あるいは家族で旅行に出かけるのが現代的なスタイルとなっています。観光地や大型ショッピングモールでは、この日に合わせた特別イベントが行われることもあります。
📌 まとめ
フン王記念日は、単なる休みの日ではなく、ベトナム人が自らの歴史を再確認し、民族の誇りを胸に刻む日です。「水を飲む者は、その源を忘るべからず」というベトナムの格言を象徴するこの祝日は、伝統と現代が交差するベトナム社会において、これからも大切に受け継がれていくことでしょう。

