バングラデシュのアシュラとは
「アシュラ」(Ashura)は、イスラム暦の第1月であるムハッラム月の10日目に祝われるバングラデシュの祝日です。イスラム教徒にとって深い宗教的意義を持つこの日は、断食や祈りによって過ごされます。イスラム暦に基づくため、毎年グレゴリオ暦上の日程は異なります。
アシュラの歴史的背景
アシュラはイスラム教のスンニ派とシーア派でそれぞれ異なる意味合いを持つ祝日です。スンニ派ではモーセがエジプトのファラオから解放されたことを神に感謝して断食した日とされており、シーア派では680年のカルバラーの戦いで預言者ムハンマドの孫フサインが殉教した日として追悼の意味を持ちます。
- スンニ派における意義:預言者ムハンマドがメディナに移住した際、ユダヤ教徒がこの日に断食しているのを見て理由を尋ねたところ、モーセを救った神への感謝の断食だと知り、イスラム教徒にも断食を勧めたとされています。バングラデシュはスンニ派が主流のため、断食と祈りによって過ごす静かな祝日となっています。
- カルバラーの悲劇:680年、現在のイラクにあたるカルバラーでフサイン・イブン・アリーが少数の仲間とともにウマイヤ朝の大軍と戦い、殉教しました。この出来事はシーア派にとって最も重要な宗教的事件として位置づけられており、世界各地のシーア派コミュニティでは追悼行事が行われます。
- バングラデシュでの位置づけ:バングラデシュでは国定祝日として定められており、政府機関や学校が休みとなります。スンニ派が主流のため派手な行事は少なく、断食や礼拝を通じて静かに過ごす人が多いです。
アシュラの過ごし方
アシュラにはモスクでの礼拝や断食を中心に、宗教的な一日を過ごすのが一般的です。
- 断食と礼拝:アシュラの日に断食を行うことはスンニ派においては強く推奨される行為とされています。多くの信者がこの日に断食を行い、モスクで礼拝や祈りを捧げます。
- 追悼行事:シーア派コミュニティではカルバラーの悲劇を追悼する行列や集会が行われます。黒い衣装を身につけた参加者が街を練り歩く光景が見られる地域もあります。
- 公共サービスの休業:国定祝日のため官公庁や学校は休みとなります。主要なショッピングモールや飲食店は通常通り営業していますが、一部の個人商店は休業する場合があります。
観光・滞在時のアドバイス
アシュラの時期にバングラデシュを訪れる際に知っておくと便利なポイントをまとめました。
- 静粛な雰囲気への配慮:アシュラは宗教的に厳粛な祝日です。大声での会話や派手な行動は控え、現地の人々の祈りや断食を尊重した行動を心がけましょう。
- 飲食店の営業確認:断食を行う人が多いため、一部の飲食店は昼間の営業を控える場合があります。食事の調達は事前に計画しておくことをおすすめします。
- 公共サービスの確認:官公庁は休みとなるため、ビザの手続きや各種申請が必要な場合は事前に済ませておくことをおすすめします。

